アスベスト(廃石綿)無害化処理
アスベスト(廃石綿)とは?
火成岩が自然現象の力で変化した繊維状の鉱物で、主成分は珪酸マグネシウム。優れた耐熱性、耐摩擦性、防音性、電気絶縁性、耐薬品性を有しているため、日本では1942年から建築材料や工業製品に使用されていました。
アスベスト(廃石綿)自体は有毒ではありませんが、繊維が髪の毛の5000分の1と細かく、その針状の結晶を吸入することにより、健康被害が生じることが分かり、現在では完全に製造、輸入、譲渡、提供、使用が禁止されています。
アスベスト(廃石綿)を含有する産業廃棄物
吹付け材、保温材、断熱材、耐火被覆材、スレート等の成形板、床タイル等の建築材料
紡織品、ガスケット、パッキン、ブレーキライニング、クラッチフェーシング等の工業製品 など
アスベスト(廃石綿)は、スラグに1500℃以上の高温で融解させ、均一化することで無害化処理しています。
この溶融・無害化処理にあたっては、飛散することがないように、専用の二重袋入りのアスベスト(廃石綿)を、密閉状態のまま炉の天井部から直接炉内のスラグに投入します。

専用パンコンベア
処理の流れ

それぞれの工程において、安全かつ環境に配慮した運搬・処理をできるよう環境省のルールにそって、細心の注意を払い作業しています。
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防止
飛散することがないように、専用の二重袋入りのアスベスト(廃石綿)を、密閉状態のまま運搬しています。
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保管
飛散・流出、悪臭の発散を防止するとともに、はえ等の発生防止に努め、構内の清潔を保持しています。
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運搬
「アスベスト(廃石綿)は他の廃棄物と一緒に運ばない」など、管理を徹底しています。
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処理
環境省の「石綿含有廃棄物等処理マニュアル」の規定にそって 1,500°C以上で溶融処理しています。
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設備
ばいじん及び粉じんの周囲への飛散を
防止するため排ガス処理設備、集じん器、散水装置等が設置されています。 -
環境
排水は活環境の保全上支障が生じない水質にするとともに、定期的に放流水の水質検査を行っております。
廃アスベスト(廃石綿)溶融処理に関連した最近の講演・論文
「JX金属環境での高温溶融処理法による廃アスベストの無害化処理について」
産廃処理の総合専門誌いんだすと「INDAST」2013年6月号(INDUST,VOL.28,No.6,PP.18-21(2013))
「高温溶融による廃アスベスト無害化処理」
第49回製錬関係研究会 素材部門員会
講演会:2013年11月25日 小倉(リーガロイヤルホテル小倉ダイヤモンド4F)
「リサイクル炉による廃アスベストの高温溶融無害化処理について」
<High-temperature melting process for detoxifying asbestos waste by the reverberatory furnace>
資源・素材学会誌[旧・資源と素材]2014年6月(Journal of MMIJ,Vol.130,No.6,PP.317-321(2014))
平成26年度 全国鉱山・製錬所現場担当者会
議精錬部門一般講演:2014年6月11日 東京(機械振興会館地下3階)
「廃棄物溶融処理炉でのフッ素挙動について」
<Behavior of Fluorine in Industrial Waste Melting Furnace>
平成26年度 資源・素材関係学協会合同秋季大会
リサイクリング講演:2014年9月15日(熊本大学黒髪南キャンパス)
「JX日鉱日石金属のE-scrapリサイクル」
E-scrapシンポジウム:2014年11月6日
東京(東京大学 生産技術研究所 非鉄金属資源循環工学寄付研究部門)
「廃アスベストの高温溶融無害化処理」
<廃アスベスト処理の現状と廃棄物溶融処理炉(リサイクル炉)の操業技術>
配管技術(The Piping Engineering)2015年3月号(配管技術,Vol.57,No.4,PP.1-5(2015))